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執筆者の写真Clover Farm

来年も無病息災であることを願って


阿見町に移住してから4年目の2021年も事故や怪我、また病気をすることなく終えることができました。今年も穀物と野菜が中心の粗食の日々でしたが、どの食事も美味しく頂くことができ、一年間健康を保つことができました。これもひとえに自然の恵みと食事を作る人のおかげです。(写真は今年最後の食事です。)


私どもがこの地で大きな問題を抱えることなく過ごせるのも、家族のように見守ってくれるご近所さんがいて、いつも刺激とアイディアを提供してくれる農業仲間がいて、ごひいきにしてくれるお客さんや惜しみない支援をしてくれる知人がいるからです。一方で、私どもの知り合いには、自身や家族が大病を患った人、足腰が悪くて日常生活に支障が出た人、家族からの協力が得られず一人で苦労を抱えている人もいます。来年は、そういった方々に直接的な解決方法は示してあげられなくとも、お会いした時に少しでも元気づけられる、勇気づけられるよう、私どもは常に前向きに過ごしていきたいものです。私どもが沢山の方に支えられている分、誰かが困っている時は、支援の手を差し伸べたいです。


約二年前に、稲敷市にある自然食品店の近江屋の一部を間借りし、ファームキッチン江戸崎というレストランを運営していました。その店は開業してから4ヶ月で閉店させてしまいました。今振り返ると、閉店はその当時の情勢のせいではなく、私どもの力不足に大きな原因がありました。当時、もっとアイディアを絞り、世の中の流れに合わせた運営をしていくべきでした。しかし、あのレストランを運営していた目的は、今でも私どもの活動の軸になっています。それは、「近くにあるものに目を向けたら、今よりも豊かに健やかになれるのでないか」という提案をしたかったのです。美味しいものを求め遠くまで行ったり高いお金を出したりする前に、地元の食材に目を向けてほしい、また地元の農家が精魂込めて育てた作物の美味しさを知ってほしいという願いがありました。そして、その土地に旬の時期に採れる食材を頂くことの大切さを伝えたかったのです。来年もそのような心意気で活動します。


2021年が明けるとすぐに緊急事態宣言が出されました。そのため、今年は行動や経済活動の一部に制約があった年でした。来年もどのような状況になるかはわかりません。それでも常に前向きに考え、その時にやるべきことを見つけていかなければいけません。


私が愛読している人物にセネカという人がいます。セネカは2000年前のローマ帝国の政治家であり、哲学者です。セネカは40代で約7年間の追放刑にあうのですが、追放された土地で、厳しい気候、恥辱、貧困に耐え、研究と著作に没頭しました。セネカは追放された事実ですら、追放により多忙を失ったと前向きに捉え、追放の地で2000年以上経った今でも世界中の人に読まれる作品を残すという偉業を成しました。その文章の中で、自然の恵みはどこにでもあり、近くで採れる食べ物で満足する大切さを説いていることは、注目すべき点です。


農業を取り巻く環境は優しいものではありません。夏の酷暑により作物が枯れたり、作物の価格が下がり、その上売れなかったりもします。しかし、農家は作物を作って販売するだけでなく、農地が荒れて使えなくなってしまうのを防いだり、地域の人と交流し関係を深めたり、さらには地元、国内の食材を食べることの大切さを伝えていくという社会にとって重要な仕事があると勝手ながらに考えています。農業がどんなに厳しい状況にあっても前向きに取り組んでいきます。


2022年は、今まで以上に地元や国内の食材や近くで活動する農家に目を向けてもらえてら嬉しいです。皆様が来年も無病息災で過ごせますことを願っております。


大箸

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